Intelがまず公表したのは「生産性(Productivity)」に関するベンチマーク結果です。このベンチマークでは、はじめに、WebXPRT 3と呼ばれるベンチマークプログラムをChromeブラウザ上で動作させています。これはブラウザのHTML、JavaScript、画像処理、顔認識処理などの処理速度を測定するためのものです。 Intelによると、同社の第11世代CoreプロセッサであるCore i7-1185G7に16GBのメモリを組み合わせたシステムは、M1チップおよび16GBのメモリを搭載したApple MacBook Proに比べ、全体で30%以上高速だったとのことです。特に、Photo Enhancementと呼ばれるサブテストではCore i7のほうが約3倍高速であったとしています。 また、Microsoft Office 365を使ったベンチマークも行われ、PDFにエクスポートする処理においてCore i7のほうが約2.3倍高速であったとのことです。さらに、すべてのサブテストでCore i7がM1チップを上回っています。 「コンテンツ作成(Content Creation)」のベンチマークでは、Topaz LabsのAIツールにおいてCore i7が約6倍高速で、その他のAdobe Premiere、Photoshop、LightroomといったソフトでもすべてCore i7がM1チップを上回ったとしています。ただし、WebXPRT 3を除くと、これらのベンチマークプログラムはIntelの内部テストプログラムと思われ、公平性については疑問の余地があります。
さらに、Intelはゲームアプリでもベンチマークを行っています。それによると、両方のCPUで動作するゲームアプリに関しては、M1チップとCore i7はフレームレート(FPS)の点で勝ったり負けたりの結果となっています。 そこでIntelは、M1チップで動かないゲームについてFPSを0としたグラフを作成し、Core i7のほうが数多くのゲームが動作して有利であるという主張をしています。
Appleが主張するM1チップの優れた省電力性を否定するため、「実世界でのバッテリー寿命テスト」結果も公表しています。このテストでは、ディスプレイの輝度を合わせた状態でNetflixの動画をストリーミング再生した際のバッテリー持ち時間を比較しており、M1チップ搭載MacBook Airと第11世代Core i7搭載のAcer Swift 5がほぼ同等のバッテリー寿命であったとしています。 ただし、IntelはM1チップ側にはこれまで使用していたMacBook ProではなくMacBook Airを使い、Core i7側もこれまで使用していたCore i7-1185G7ではなく、動作周波数の低いCore i7-1165G7を使用している点には注意すべきです。 そのほかにも、フォームファクタの選択肢や、ハードウェアおよびソフトウェアの互換性の点で第11世代Core i7はM1チップよりも有利であるとIntelは主張しています。
Source:tom’s HARDWARE via 9to5Mac(ハウザー)
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