ダウンロード用ゲームから佳作・良作を紹介する“おすすめDLゲーム”連載。今回はPS4/Switch/Xbox One/PC(Steam)で配信中の『The Survivalists(サバイバリスト)』を紹介します。
本作は、サバイバル生活をしながら脱出を目指すアクションゲームです。
いかだに乗ってただひとり遭難し、どことも知れない島へと流れ着いた主人公。近くにあるのは、小石や草などのわずかな素材のみ。
ただ、この主人公はサバイバルに適したスキルを備えている様子です。
小石から石斧を作り出し、手にした斧で木を切ったり石を採掘したりしてまた新たな素材を入手することができます。
素材があればアイテムを作ることができる。この手のジャンルではもはやおなじみの様式です。
また、動物や魚を狩って肉や魚を手に入れれば空腹をしのぐさまざまな食べ物を作り出すことができ、素材が充実してくれば金属製の道具を作ったり安全な拠点を作ったりすることが可能。かまどや作業台を設置すれば、より多彩なアイテムを作り出すことができるようになっていきます。
新しいアイテムをクラフトすると、また新たなアイテムのレシピが解禁。未知のアイテムをクラフトすることがゲームプレイの導線のひとつになっています。
このように、素材からアイテムを作り出したり、作り出したアイテムを活用したりしながら島を脱出する手段を探していくのが本作の流れ。自給自足やサバイバルをテーマにしたサンドボックス型のゲームで見られるルールを踏襲しています。
スクリーンショットにしょっちゅう映り込んでいるサルについては後述します。
本作のサバイバル生活は何をするにも時間がかかります。木を切るだけなら、ものの数秒ですが、貴重な金属が含まれている岩を壊すのに数十秒、クラフトに至ってはものによっては1分。
極端な例ですが、ある程度広い範囲を襲撃から防ぐために外壁で囲い、さらにその外側をワナで敷き詰めようとしたらそれだけで1時間以上かかることもあります。素材がそろっているのになにを作るにも1分待ち、1分待ちでは正直やっていられませんよね。
ですが、この島にはそんな悩みを解決してくれる頼れる仲間がいます。それがサル!
サルは欲しがっているアイテムを与える、もしくは閉じ込められているところを助ければ仲間にできるNPC。ただ同行させるだけでもにぎやかしにはなりますが、プレイヤーのマネをさせることでさまざまなアクションを指示できるのが大きな特徴です。
サルに“今からする行動をマネするよう”に指示を出して、特定の行動を取ればサルはその行動をマネするようになります。
例えば、大量の岩を採掘したい場合。プレイヤーがひとつひとつ採掘していては、かなりの時間がかかります。
そういった繰り返しの作業が必要なときはサルの出番。プレイヤーが岩をひとつだけ採掘して、石斧などの工具をサルに渡しておけばあとはOK。プレイヤーが見守っていようがいまいが、その場で延々と採掘を行ってくれます。
岩をひとつ採掘したら、近くの岩の採掘を開始。一応行動範囲に制限はありますが、かなり広範囲を動き回りながら採掘を行ってくれます。
他にもクラフトをマネさせたり、素材を拾って箱にしまうことをマネさせたりと、サルにさせられることは豊富。どれだけサルを活用できるかが、このサバイバル生活の快適さにつながっているでしょう。
辺りを更地にするまで、サルの採掘は止まりません。
さらに、サルが増えてくるとサバイバル生活のさまざまな工程の自動化が可能に。
また例を挙げることになりますが、本作は採掘などによって手に入ったアイテムがその場に落ちるシステムのため上記のようにサルに延々と採掘を行わせていると、付近の地面に山のような石や金属が散らかっているという状態になります。
そんな時に、採掘をしているサルとは別のサルに落ちている素材を拾って拠点の箱に運ぶ姿をマネさせれば、採掘に加えて手に入った素材の運搬も自動化されます。さらに、また別のサルに拠点の箱からカマドに素材を入れる姿をマネさせて、またまた別のサルにはカマドでクラフトを行う姿をマネさせる。
このように、サルごとに別の行動をマネさせると、採掘が自動で行われて、落ちた素材は自動で拠点に回収。その後、素材は自動でカマドに放り込まれて、自動でクラフトされるとここまでの自動化が可能。サルが手伝ってくれるというよりも、サルを動力にした工場とも言えるオートメーションが完成します。
仕事はサルに任せて、自分は何もしない。これが理想のサバイバル生活!?
そして、サルのよさは自動化だけではありません。本作の舞台となる島には獰猛な獣やこちらを敵視する原住民が生息しており、当然サバイバル生活の障害になってきます。こういった難敵への対処にもサルが便利!
採掘をマネさせるのと同様に、動物や原住民を攻撃する様をマネさせればサルはプレイヤーを護衛する頼れる仲間に早変わり。トラだろうが、槍を手にした原住民だろうがなにひとつ恐れることなく真正面から戦いに向かってくれます。
サルは力尽きてもデメリットがほぼないので、プレイヤーはサルが敵を囲んでボコボコにしているさまを見ているだけでOK。サル、頼りになります。
また、こういったタイトルでネックになりやすいアイテムが持ちきれないという問題を解決してくれるのもサル。サルは行動をマネさせることで指示を出すだけでなく、多数のアイテムをしまえる収納箱を持たせてプレイヤーに同行させることもできるのです。
ダンジョン内の宝箱も中身を取り出すことなくサルに持ち運ばせることが可能。
運ばせている箱は、いちいち降ろさせなくてもそのままアイテムの出し入れが可能。いわばサルが移動式の収納箱になっているような状態です。金属やら家具やらが詰まった箱を小柄なサルに運ばせるのは少し心が痛みますが、そこは我慢してもらうとしましょう。
今の拠点を捨てて新しい拠点に移る際も、アイテムを収納箱に納めてサルに運ばせればOK。
そのままイカダに乗って新天地へ……。イカダ狭い!!
サルだらけの大所帯になってくると、一部のサルにクラフトやアイテムの整理をさせつつ、別のサルとともに遠方に探索に向かうといった分業も可能。拠点に待機させたサルに食料や武器をクラフトさせておけば、探索から戻るころには次の探索の準備がサルによって完了しています。
一度サルを使役するようになると、サルなしのサバイバル生活は考えられなくなる。それぐらい便利なヤツなんです。サルという生き物は。
このように本作では、素材集めやクラフトなどの繰り返しになる要素をサルが肩代わりしてくれるため、ある程度ゲームが進むといろいろな面が快適になっていきます。ただし、サルはやはりサル。万能ではありません。
まず、採掘や伐採を行う場合、プレイヤーが行うかサルが行うかを問わず石斧をはじめとした道具が必要になります。この道具は使うごとに耐久度が減っていき最終的には壊れるもの。
ですから、採掘をサル任せにしていても渡した道具が壊れてしまったらそこまで。サルは採掘地点付近で何もしなくなってしまいます。武器にも耐久度があるので、戦闘及び狩りを行うように指示したサルも同じ。道具や武器が壊れたら、もしくは壊れる前に新品に変えてやる必要があります。
そして、このサルたちは融通が効かないという点もネック。
先ほど、道具が壊れたら採掘をやめてしまうと書きましたが、逆に道具があればプレイヤーが指示しない限り、手にした道具が壊れたり素材がなくなったりするまで延々と同じ行動を取り続けます。「木を1本だけ切り倒してほしい」そんな指示は聞いてくれません。
木を切ることをマネさせたら、周囲の木を片っ端から伐採します。もしも途中で伐採をやめてほしいなら、木を1本切り倒した時にマネを中断するように指示を出すことが必要。
また、素材運びをマネさせたとしても、サルが把握しているのは“主人公が素材を拾った付近のアイテム”を“収納箱に納める”という部分だけ。主人公が小石を収納箱に納める姿を見ていても、周囲に草が落ちていれば、それもまとめて収納箱に。もしも、主人公が最初に木を納めた箱がいっぱいになれば別の収納箱にアイテムを納めようとします。 貴重品だけを納めていた箱も、食材を納めていた箱も全部ぎっちぎちに木材まみれ。それでも便利は便利なのですが、同じ素材だけを収納箱に納めてほしいなら周囲の草をプレイヤーが事前に拾っておくなどの工夫が必要になってきます。
運んでほしい素材の側に工具などを置いておくと、まとめてサルに持ち去られます。
このように、サルは便利なのですがサルを活用すればするほど、今度はサルが都合よく動いてくれるように管理する必要が出てくるんです。サルを使役していたはずが、サルのために働く。しかもサルが増えるほど作業量は増えていく。いったいどっちが上の立場なのでしょう(笑)。
このように書くと忙しそうに見えますが、見方を変えると、管理すればするほどサルによる成果が大きくなるということ。プレイヤー1人しかいない時を、ひとつの作業をしたことに対する成果を1とすると、大量のサルとの生活は成果が5にも10にもなる状態なのです。
同じ時間でも手に入る素材は段違いに多く、敵を効率よく倒せる。それに加えて、クラフトと探索を同時進行することもできてと、サバイバル生活の安定性と効率のよさがどんどん増していくのが気持ちいいんです。
1人でのサバイバルや、複数人のプレイヤーとのサバイバルとはまったく違う、自分に従ってくれるサルたちとのサバイバル。不自由だからこその楽しさと、自由になっていく楽しさの両方が詰まっていますよ。
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